並行複発酵を導入するか否か
「日本酒出したらいいやん。」と言われるたびに心の中で小さくうなずいては首を横に振るのです。
われわれの国の偉大なる並行複発酵の深い味わいはもちろん理解しております(大好きですから!☺︎)。しがしながら、流れや料理の雰囲気を鑑みるにがらりと変わるような気がしてならないのです。
Vernaccia di Oristano
Contini
Sardigna
「ヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ」という、サルデーニャ島の白ワイン。ソムリエ試験用の教科書には、さらりと数行「からすみに合わせましょう」と書いていますが深い歴史と技術が詰まっています。
サルデーニャ島はスペインの影響を色濃く残す地。ですからこのワインの製法はシェリー酒の作り方によく似ています。醗酵を終えたワインは特殊な環境のもと、表面にフロールと呼ばれる産膜酵母を発生させては長い熟成期間の間、酸化し過ぎることを防ぎながら過ごします。この期間、アルコール度数のコントロールがとても重要となります。14%に至ってお酢にならないよう、16%で酵母自体が死滅してしまわないよう、絶妙な具合が要求されるのです。他に類を見ない複雑な方法を採るところは天下の並行複発酵に似ていて、独特の白ワインができあがります。
辛口の味わいとオレンジピールのような心地よい酸味がふわりと広がります。いまの時期なら雲子との相性がとてもよいです。クリーミーで濃厚なうま味をヴェルナッチャがほどよく引き締めてくれるのです。
とはいえ、まだ葛藤はあるのです。「ふむ、やっぱりこっちやなあ。」そう呟きながらきょうもオリスターノのボトルを手に取るのです。おそらくあしたも同じ葛藤を抱えていることでしょう。でも、その選択肢のあることがペアリングの楽しさで、ちいさな幸せなのです。
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